背中や腰が痛い、手がしびれる、耳鳴りが続くなど、身体機能の衰えから高齢者は身体の不調を訴えることが多くなります。
そこで、外科や内科といった病院を受診しますが、身体的には異常が見つからないケースも少なくありません。
実はこのような身体の不調は、うつの症状にも該当します。
他には、もの忘れが増える、落ち着きがない、不安感が強い、といった症状も高齢者のうつの特徴です。
もの忘れなどの記憶障害は認知症にも当てはまるため、うつ病との区別がつきにくいともいえます。
判断するポイントはいくつかありますが、その一つは自責の念があるかどうかです。
自分のせいで周囲が迷惑しているなど、自分を卑下する言葉が目立つ場合はうつ病を疑いましょう。
その他の判断ポイントは、高齢者のメンタルヘルス不調の特徴として【「心のケア」を大切にできる介護職になろう】に違いが載っているので、読んでみてください。
うつ病には十分な休息が必要とされますが、高齢者の場合はむしろ行動したほうがよいケースもみられます。
休息ばかりしていると、筋力や体力が落ちてしまい、寝たきりになるリスクがあるからです。
一度寝たきり状態になると、回復までにかなりの時間を要しますし、認知症を併発するおそれもあります。
体操や散歩など、無理なく身体を動かせるようサポートしてあげましょう。
また、うつ病になると、意欲が低下してふさぎ込みがちになります。
積極的に声をかけてあげるなど、メンタル面でのサポートも大切です。
急に元気がなくなった、笑顔が減った、じっとしている時間が長いなど、施設利用者のいつもとは違う変化に気づいた場合は、注意深く見守りましょう。